動物も人間のように言葉を話しているのかな?というのは昔から気になテーマです。
最近の研究でシジュウカラという鳥はきちんと文法の法則に従って言葉を操っていることが判明しました。
シジュウカラの鳴き声にはいろいろなパターンがあり、それぞれに意味があることがわかってきています。
この記事ではシジュウカラの鳴き声一覧と、その意味をまとめました。
また、シジュウカラが文法を使って言葉を操っていることが分かった根拠になる実験についても紹介しています。
- シジュウカラの鳴き声一覧
- シジュウカラの鳴き声一覧とその意味
- シジュウカラが文法を使って言葉を操っていることを証明した実験とは?
- 他の動物も言葉を使っているのか?
シジュウカラの鳴き声を一覧でご紹介

シジュウカラの生態や鳴き声を紹介します。
シジュウカラの生態
シジュウカラの大きさは14.5cm程度でスズメくらいのサイズです。
シジュウカラは別名「ネクタイ鳥」とも呼ばれますがその理由はおなかにネクタイのような黒いラインがあることです。このラインが太いのがオス、細いのがメスです。
この画像のシジュウカラはメスですね。
日本では全国的に分布しており、東アジアを中心に生息しています。
シジュウカラの鳴き声一覧
シジュウカラは様々な鳴き方をすることがわかっています。
研究によると数十種類~200種類以上あるのではという話もあります。
- ピーツピ
- ヂヂヂヂ
- ジャージャー
- スィー
- ヒーヒーヒー
- チカチカ
- チッチッ
- ツピッツピッ
- ツーツー
などなど…カタカナで表すのは難しい様々な鳴き声があります。
生育地域や季節、性別、月齢などによっても変わります。
シジュウカラの鳴き声一覧とその意味

シジュウカラの鳴き声の中で、意味が分かっているものを一覧でご紹介します♪
鳴き声 | 意味 |
---|---|
ピーツピ | 警戒して! |
ヂヂヂヂ | 集まって!(近づいて!) |
ツツピー | 縄張りの確保、メスを誘う |
ジャージャー | 蛇がいる |
チカチカ | カラスがいる |
ヒーヒーヒー | 鷹が来た |
ピーツピの意味
ピーツピという鳴き声は警戒を呼び掛けるものです。
ピーツピという声を聞くとシジュウカラは周囲を警戒するしぐさをします。
ジジジジの意味
ジジジジは仲間を集めるための鳴き声です。
この声は餌場がある場合や、仲間と遠く離れてしまった時に発するもので通常の鳴き声とは異なる、地鳴きです。
ツツピーの意味
ツツピーという鳴き声はオスのシジュウカラが発するものです。
自分の縄張りを主張したり、メスにアピールする場合にツツピーと鳴くことが多いようです。
ちなみにシジュウカラは鳴き声が豊富なほうがメスにモテるそうですよ。
ジャージャーの意味
ジャージャーは蛇が来たことを示す鳴き声です。
シジュウカラは雛でもきちんと親の鳴き声を聞き分けることができます。
天敵の蛇が来た時には「ジャージャー」という鳴き声を聞いて一斉に巣から飛び立って逃げだします。
ジャージャーも地鳴きという鳴き方です。

チカチカの意味
チカチカは雛の天敵であるカラスが来た時に発せられる鳴き声です。
「チカチカ」という声に反応して雛たちは巣の中で身を伏せます。
蛇は巣穴に入ってくるので逃げるほうが安全で、カラスはくちばしが届かないように巣穴で小さくなっていたほうが安全なんですね♪
ヒーヒーヒーの意味
ヒーヒーヒーは鷹が来たことを知らせる鳴き声です。
鷹は最も怖い天敵の一つです。
ヒーヒーヒーという声を聞くと、群れの鳥たちも同じように鳴いて注意を促します。
この声に反応して地表の鳥たちは藪の中に逃げ込み、木にいる鳥たちはじっとして空を伺います。
このヒーヒーヒーという音は鷹には聞こえにくい周波数なのだそうですよ。
鳴き声の意味を逆手に取った裏技

ヒーヒーヒーという鳴き声は鷹を警戒するものだという説明をしてきましたが、これを逆手に取る鳥もいます。
シジュウカラと同じガラ科の中で最も小さい鳥が「コガラ」です。
コガラは体が小さい分、餌場では不利な立場です。
餌場でヒーヒーヒーという鳴き声を聞くと一斉にほかの鳥たちがいなくなるのを利用して、コガラはわざと「ヒーヒーヒー」と鳴くことで他の鳥たちを追い払って餌場を独り占めするという技を使うことがあります。
この技を使いすぎると他の鳥たちにばれて、無視されることもあるということで…なんだかオオカミ少年のお話のようですね。
種族の違うエゾリスも「ヒーヒーヒー」という鳴き声に反応して逃げることが知られており、種族を超えたコミュニケーションも取られているようですよ。
シジュウカラの鳴き声には文法もある!証明した実験とは?

シジュウカラの鳴き声には文法もあることがわかってきました。
実験を行ったのは京都大学の生態学研究センター機関の鈴木俊貴さんです。
「ピーツピ」⇒警戒して!「ヂヂヂヂ」⇒近づいて!実験はこの二つの鳴き声に注目して行われました。
「ピーツピ ヂヂヂヂ」という鳴き声を聞くとシジュウカラは周りを警戒しながら音源に近づきます
シジュウカラは先ほどオオカミ少年のようだと述べた「コガラ」と共同で生活することもあります。
コガラの鳴き声では「ディーディー」が近づいて!を意味し、この声にシジュウカラも反応することが知られています。
そこで自然界ではありえない、シジュウカラとコガラの鳴き声をミックスする実験が行われました。
「ピーツピ ディーディー」⇒シジュウカラは周りを警戒しながら音源に近づきました
「ディーディー ピーツピ」⇒シジュウカラは反応を示しませんでした
このことからわかることは…
- シジュウカラは聞いたことのない組み合わせの合成音声であっても内容を判別できる
- 鳴き声には文法が存在し、決まった順序でないと反応を示さない
この実験はタレントのルー大柴さんからインスピレーションを受けて行われたそうですよ。
日本語の一部を英語に置き換えて理解できるか実験する…というイメージだったみたいです。面白いですね♪
シジュウカラ以外の動物も鳴き声で言葉を操っているのか?

シジュウカラ以外の動物たちの鳴き声にも意味があるのかというのは非常に気になりますよね。
世界中で調査されていますが、はっきりとわかっていることはまだまだ少ないのが現状です。
そもそも言語を操るとはどういうこと?
一言で言語と言ってもどういうものなのか難しいですよね。
言語には4つの定義があります。
以下の4つの特徴がそろわないと言語を操るとは言えません
- 分離性(言語が個々の音や単語を持っており、これらが組み合わさることで言語が新しい意味を持つ)
- 文法(音や単語がどのように並ぶのかを定めたルール)
- 生産性(言語を使って無数の表現を行う能力)
- 超越性(言語を使って「目の前で起きていない出来事」について話す能力)
言語を操る動物はいるのか?
知能の高い動物や、仲間に情報を伝達していることが知られている生き物はいくつかいます。
ミツバチ

ミツバチはダンスによって仲間に蜜のある位置や量を伝えることが知られています。
ミツバチが伝えたい蜜に関する情報は目の前のことではないので「超越性」はあると言えます。
でも現在のところ蜜の話以外のことができるという情報はなく超越性以外の能力はわかっていません
プレーリードッグ

プレーリードッグは仲間に敵の存在を詳しく伝えることができます。
敵がどんな生き物なのかといった情報だけでなく、敵が人間であれば服装や武器の有無まで伝えられるそうです。
その点では超越性は認められますが、敵の存在以外の会話ができるという情報はありません。
チンパンジー

人間に最も近いと言われるチンパンジーは人間によって教育されれば手話を覚えて独自の文章を作ることもでき、超越性のある文章も作れます。
また、飼育員が話す言語もかなりの数を理解することができることも知られています。
とはいえ、自然界ではこのような能力を発揮しているという情報はなく文法を用いてコミュニケーションをとっていることはなさそうです。
イルカ

イルカもまた知能が高いことが知られている生き物です。
イルカ自身が口笛を使い分けて名前・年齢・場所・性別などを伝えることができることも知られています。
人間の身振りを見分けられるのである程度文法を理解する能力もあると思われます。
でもチンパンジー同様、野生でのコミュニケーションに文法はありません。
人間だけが言語を操ることができる?

人間の言語は文法と生産性にきちんとした結びつきがあり、分離性と超越性によって無限のメッセージを作ることが可能です。
これまで、言語を操るのは人間だけだと考えられてきましたが、シジュウカラの実験により鳥も言語を操っている可能性が見えてきました。
まだまだ実験は途上ですが、もっといろいろなことがわかってきたらシジュウカラと会話ができる日も来るかもしれませんね。
シジュウカラの鳴き声一覧と意味!鳥は文法を使って言葉を操る?!まとめ

- シジュウカラは様々な鳴き声で鳴く
- 鳴き声には意味があり、文法も存在している
- 鳴き声で仲間を集めたり、敵を種類別に警戒したりできる
- 同種以外の鳴き声の意味も聞き分けている
- 今のところ人間とシジュウカラ以外で言語を操ると証明されている動物はいない
小さな鳥であるシジュウカラが鳴き声で言語を操っているとは驚きです。
実験が進んで動物たちと話ができる世の中になったらとても楽しそうですよね♪